【話しかける、かけられる】

屋台の魅力としては、もう全国的には少ない福岡だけになった屋台という文化を体験する、屋外の路上で飲み食いするという日常では出来ない事をする等も魅力ではあると思いますが、知らない人、初めて会った人と楽しく会話が出来る、飲み食いが出来るという事が一番の魅力ではないかと思っています。

屋台の狭さ、座席同士の距離の近さ、働いている屋台の人とお客さんの近さ等が生み出す、コミュニケーションをしやすい環境が、私が思う屋台の一番の魅力を生み出していると思います。

屋台で話しかけられるのを嫌がる人をほとんど見た事がありません。初めて屋台に来る人も含めて、「今日は友人等だけで会話したいので」という雰囲気を出す事さえ、見る機会は少ないです。屋台に来たら、周りの人に話しかけられるのは仕方ないと分かって来ているのかと思うほど、フレンドリーな空間になっています。

「だから、屋台をより楽しむために、積極的にコミュニケーションを取る、隣の人に話しかける事をオススメします。初めて屋台に来た人、通常話しかけたりしない人は勇気がいると思いますが、騙されたと思って話しかけてみて下さい。より楽しい時間、面白い出会い、意外な情報等があって屋台の楽しさが増すと思います。」

【ご馳走される】

屋台ではコミュニケーションがしやすく、人との距離が近くなるので、ご馳走（おごり）をされる事があります。「この子達にラーメン食わしてやって」、「飲み物を一杯ずつ飲んで良いよ」等。

「屋台でのご馳走はデメリットは無いので、ご馳走を受けてあげる、くらいの気持ちで受けてあげると良いと思います。ご馳走すると言った人が喜びます。」

屋台というのは基本的に一期一会の世界です。屋台で会った人と再び会うなんて余程強い縁でも無ければありません。屋台の外でどうこう等は無いと思って良いと思います。貴方達の支払いを全部出してあげるとか言われるなら重いので断った方が良いですが、料理一品、飲み物一杯程度であれば全く気にする必要もありません。

私も上記のようなご馳走をたまにしますが、屋台を出る際に「ご馳走さまでした」とお礼を言われて、「そういえばご馳走したね」と始めて思い出すくらい、何も気にせずにご馳走しています。楽しかったからなのか、何かの気まぐれか、理由は分かりませんが、ご馳走する側も軽い気持ちでしています。「本当ですか？　ありがとうございます。」と受けて良いと思います。ご馳走される事も屋台の醍醐味の一つですので。

【一人でも大丈夫】

屋台に一人で入るのは緊張しましたと言う人がいます。入った事が無い所に一人で飛び込むのは少し勇気がいるので、この気持ちは分かります。ただ私は、屋台こそ一人で入った方が面白いと思っています。

「一人の時に飲食店等に行きたいと思う日があれば、是非屋台に行く事をオススメします。他の飲食店では体験出来ない楽しい世界が広がっていきます。」

飲食店に一人で行って、何か飲んで食べる際にはカウンターかテーブルで一人で食べます。知り合いの店でもお店の人との会話もなかなか出来ないと思いますし、そうでないならば会話が全く発生しません。しかし屋台であれば、逆に一人にされる事が難しいと思います。店側からもお客さん側からも話かけられます。

その日だけでも楽しいですが、何回か行くと、店側にもお客さん側にも貴方は覚えられて、また違う会話が生まれます。そうこうしているうちに、この屋台に行けば誰かと話が出来るという環境が出来ます。知り合いも増えて世界が広がります。グループでいるより一人の方がより話しかけられるので、一人で来ても楽しいです。（お客さんが多い屋台では難しい場合もあります。少し余裕がありそうな屋台が良いと思います。）

【話しかけても捕まらない】

このようなフレンドリーな世界が屋台にはあります。私は一人で屋台に行き、更に知らない人でも構わずに話しかける人なので、この環境が大変ありがたいと思っています。

「この屋台のありがたい環境の事を、話かけても捕まらない環境が嬉しいと、いつも表現しています。」

例えば飲食店で隣のテーブルにいるカップルに話しかけるおじさんをどう思いますか？　隣のテーブルのラーメンを食べている若い男性3人組に絡んでいるおじさんはどう思いますか？　ドリフターズの志村さんの変なおじさんではありませんが、変なおじさんと思われるのがオチです。場合によっては、お店の人に警察を呼ばれるかもしれません。

しかし屋台ではこれらの事が許されるのです。もちろん相手を不快にさせるような事は、世界中のどこでもダメですが、楽しく会話しましょうという清い心で話しかければ、屋台では問題はありません。知らない人でも相手の許せる範囲で会話が出来ます。

「楽しく会話しましょうと話しかけて、普通に相手と話が出来る環境って意外と無いと思いませんか？　知らない人は警戒しないといけない社会、世界かもしれませんが、知らない人と普通に話が出来る事はとても嬉しい事、楽しい事だといつも思っています。だから、それが出来る屋台にも感謝しています。」